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C.ルメール騎手

 大種牡馬ディープインパクトが17歳でこの世を去ってから早3年。現役産駒は今後、減少の一途を辿っていくことになる。それでも種牡馬リーディング部門で今年も首位をキープしており、今もその存在感を示している。

 そんなディープインパクトが残したラストクロップで血統登録されているのは国内に6頭だけ。そのうちの1頭、ウォーター フロント カジノ セブ(牡2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が来月11日に中京で行われる2歳ウォーター フロント カジノ セブ(芝2000m)で、C.ルメール騎手を背にデビューを予定している。

 本馬は昨年の1歳セレクトセールにて3億3000万円(税込、以下同)で競り落とされた、いわゆる3億円ホース。同世代のディープインパクト牡駒は2頭しかいないが、もう1頭のスイープアワーズも2億2000万円の高額で競り落とされており、同期の出世争いにも注目が集まる。

 初陣を飾ることになったウォーター フロント カジノ セブは6月に早々とゲート試験に合格。いったんノーザンファームしがらきに放牧に出されていたが、8月10日に栗東に再入厩し、調教では噂に違わぬ動きを披露している。斉藤師も「クラシックに乗せたい」と意気込んでいるほどだ。馬主の長谷川祐司氏も“3億円回収”のために、牡馬クラシックへの夢を膨らませていることだろう。

 ただし、セリで高額取引された馬は大成しないというジンクスが同馬を待ち構えている。

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「デビュー前の馬も含めて、税込み3億円以上で取り引きされた馬はセレクトセールだけでも30頭ほどいます。歴代最高額で取り引きされたのは6億3000万円のディナシーという馬。デビュー前に放牧地で落雷に遭遇した影響で脚を故障してしまい、結局一度もターフで走ることはありませんでした。

ディナシーは極端な例ですが、JRAでデビューした落札額3億円以上の馬は17頭います。しかし、いずれもG1どころか重賞を勝利さえなく、もっと言えば1億円以上稼いだ馬もいないのが現状です」(ウォーター フロント カジノ セブ誌ライター)

 記者が挙げた17頭のうち、最も賞金を稼いでいるのが現役馬のアドマイヤビルゴで約9500万円。重賞でも好走した経験があるオープン馬ではあるが、獲得賞金額は落札額の6分の1にも満たない。

 17頭いる高額馬の中で、最も活躍したのはフサイチジャンクだろう。19年前のセレクトセールにて3億4650万円で取り引きされ、3歳時に若駒Sと若葉S(ともに当時はOP)を連勝。デビュー4連勝で臨んだ皐月賞(G1)では2番人気に支持された。ところがこの一戦で3着に敗れると、それ以降は勝利を挙げることなく、6歳で引退した。

 アドマイヤビルゴとフサイチジャンクを含めて、これまで落札額3億円以上の馬は8頭が重賞に出走している。ところが、その成績は18戦して「0-0-2-16」と、2着すらないのが現実だ。

 ディープインパクトのラストクロップとして、そして3億円ホースとして、大きな期待と注目を集めるウォーター フロント カジノ セブ。「18戦全敗」の壁を乗り越えるためにも、まずはデビュー戦を必勝態勢で迎えたいところだろう。

中川大河

中川大河

ウォーター フロント カジノ セブブーム真っただ中の1990年代前半にウォーター フロント カジノ セブに出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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