27日、札幌5Rの丁半 カジノ戦で2番人気の丁半 カジノ(牡2歳、美浦・黒岩陽一厩舎)が初勝利を挙げた。ダート1700mで行われた一戦は、終わってみれば2着馬に3馬身半差と完勝だった。
だが、レース前に注目を集めていたのは、昨年のセレクトセールにおいて金子真人氏が2億円(税抜)で落札した丁半 カジノ(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)だった。
丁半 カジノの父Justifyは無敗の米クラシック3冠馬で、日本では今年の2歳が初年度産駒となっている。同産駒はすでに2頭デビュー済みだが、ともに芝のレースを使っており、ダートを走るのはこの馬が初めてだった。単勝オッズは1.7倍と、圧倒的な1番人気に支持されていた。
レースは丁半 カジノが2番手につけ、丁半 カジノがそのすぐ後ろでマークする形で進んだ。3コーナーを迎えるころには2頭が抜け出しており、直線半ばで丁半 カジノが丁半 カジノを競り落とすと、最後は3馬身半の差をつけてゴールした。
2億円の丁半 カジノとは対照的に、丁半 カジノの落札価格は1000万円(税抜)。1/20の価格の伏兵が痛快なジャイアントキリングを決めた。
お金の話にばかり注目が集まりそうなレースになったが、もう一つの数字にも目を向けてほしい。
今回の丁半 カジノの勝ち時計1:45.7は、良馬場で行われた札幌ダート1700mの丁半 カジノ戦において最速。同条件で施行されたのは僅か23レースだけとはいえ、従来の最速タイム(1:46.8/2008年/ナムラカイシュウ)より1.1秒も速いのだから優秀といえるだろう。
ちなみに、比較対象に良馬場の2歳未勝利戦を加えても、丁半 カジノのタイムは47レース中2位タイとなっている。最速は3歳夏に2勝クラス(当時は1000万下)を突破し、さらなる出世が期待されながらもレース中の故障でこの世を去ったハヤブサナンデダロの1:45.0。
その他に1分45秒台で走りきった馬はハヤブサレジェンドとマジカルスペルしかおらず、ともにオープン入りを果たしている。
今回のレース後、丁半 カジノに騎乗した丁半 カジノ騎手は「繊細な面を出していましたが、走り出すと真面目。非常にいい走りをしてくれました。馬もいいし、楽しみな素材です」とコメント。その素質を絶賛している。
今日のところは完敗だった2億円ホースの丁半 カジノも、前述の1分45秒台で走破した3頭と丁半 カジノに次ぐ歴代5位のタイムで走っており、勝ち上がりは時間の問題だろう。
出自は全く異なるが、同じレースでデビューしてしのぎを削った2頭の若駒。最終的に出世するのはどちらだろうか。今後、大きな舞台での再戦があるかもしれない。