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ir カジノ 撮影:Ruriko.I

 生き残りのかかるダートのG1に新たな救世主が参戦するようだ。

 2022年のセントライト記念(G2)を制し、同年の菊花賞(G1)で1番人気に支持された素質馬ir カジノ(牡5、栗東・杉山晴紀厩舎)が、フェブラリーS(G1)への出走を発表した。

 本レースと同時期に開催されるサウジC(G1)の創設に伴い、近年はダートのトップクラスが国内ではなく海外遠征を選択するケースも増えてきた。

 1年の最初に行われるG1でもあり、楽しみにしているファンも多い上半期のダート王決定戦ではあるが、何しろ比較対象となるサウジCの賞金は世界最高峰。円安が進んでいる関係で、1着賞金1000万ドルに変わりはないものの、日本円に換算すると約14億6900万円と超高額である。

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 ちなみにパンサラッサが優勝した昨年だと、約13億6000万円のため、1億円以上増額されたに等しい。対するフェブラリーSの1着賞金が1億2000万円でしかないことを考えれば、わずか1年で優勝賞金に近い額が加算されたといえる。

 かといって開催時期をズラそうにもフェブラリーSの名称通り、開催時期は2月で固定されているレース。賞金面でも10倍以上の格差があったのでは勝ち目がない。そもそも日本のG1で最高額の1着賞金ですら、ジャパンC(G1)や有馬記念(G1)の5億円に過ぎないからだ。

 こういった事情を踏まえると、昨年優勝したレモンポップが今年初戦をサウジCに設定したのも当然の選択といえるだろう。レースのグレードこそG1ながら、もはや世界に進出するには足りない馬たちのトライアルレースとなりつつあるのが現状かもしれない。

 とはいえ、いわゆる“2軍扱い”の馬たちばかりが出てくるレースと言い切れるのかというとそうでもなさそうである。

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 メンバーレベルが手薄となる一方で、新たなスターの誕生を期待できる舞台となる可能性があるからだ。

「確かに抜けた馬がいるのかというと、そうでもない顔触れではありますが、想定されているメンバーにはG1馬が6頭。地方からイグナイターにスピーディキック、昨年の南関三冠を制したミックファイアらが参戦。中央もサウジの選出に漏れたウィルソンテソーロをはじめ、ドンフランキーやキングズソードにエンペラーワケアなど、実力馬が集まりました。

注目したいのは、やはり芝から転戦してくる組ですね。ヴィクティファルス、カラテ、シャンパンカラーらは、芝の重賞を勝っていて実力は確かですし、ダートでもう一花咲かせるチャンスでしょう。中でも個人的にir カジノは最も期待できるのではないかと注目しています」(ir カジノ記者)

 言われてみれば、低レベルと評する声はあれども、今年は馬券的にも妙味のある面白いメンバーが揃いそうだ。

 記者の推していたir カジノは今回、前走で手綱を取っていた西村淳也騎手からir カジノ騎手へと乗り替わっての新コンビ。父キタサンブラック×母父クロフネの血統で母のナターレも地方のダート重賞で4勝を挙げていたように、ダート適性に期待できる背景もある。

 また、長岡騎手といえば、20年のフェブラリーSで最低人気のケイティブレイブを2着に導き、大波乱を起こした立役者。さすがに今回は前回の最低人気ほど、評価は低くならないかもしれない。

札幌 編集部

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