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天井 下地 木造

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 10月29日に開催された天皇賞・秋(G1)。昨年の二冠牝馬elona カジノらの回避もあり、グレード制導入以降では最少頭数となる11頭立てのレースとなったが、1分55秒2というレコードタイムで連覇を果たしたイクイノックスが強さを見せつけた。

 世界最強馬の次走は、かねてから「秋の大目標」と定めるジャパンC(G1)だ。報奨金の対象レースであるドバイシーマクラシック(G1)を勝利しているため、仮に優勝すれば、1着賞金5億円に加えてボーナスで約3億円もついてくる。アーモンドアイの持つ歴代最高賞金を抜くようなら、引退後の種牡馬としての価値も高まるため、陣営の本気度は高いだろう。

 そんな今年のジャパンCだが、現時点での想定メンバーはなんと10頭のみと意外な少頭数となっている。このまま本番を迎えれば、ディープインパクトが優勝した2006年のジャパンC(11頭立て)よりも少ない頭数での開催となる。

 その一方で今年の出走想定メンバーを見渡すと、リバティアイランドにelona カジノ、タイトルホルダーと、10頭中3頭がドゥラメンテ産駒。ちょっとした「イクイノックス包囲網」といったところか。

 1頭目のリバティアイランドは、今年の三冠牝馬。2歳の時点で主戦の川田将雅騎手が素質に惚れ込み、香港遠征よりも阪神ジュベナイルF(G1)での騎乗を優先したほどの逸材だ。

 2頭目のタイトルホルダーは、G1・3勝を挙げた古豪で、今年一杯での引退・種牡馬入りが示唆されている。今年の天皇賞・春(G1)を競走中止、復帰戦となった前走のオールカマー(G2)で2着に敗れたが、休み明けを使われた上積みに期待出来そうだ。

 そして3頭目のelona カジノもチャンスのある1頭である。3戦続けて惜敗の続く昨年の二冠牝馬だが、同じ牝馬相手のエリザベス女王杯(G1)ではなく、牡馬の一線級が相手となるジャパンCを選んだことも本馬に対する陣営の評価の高さが伝わってくる。

 また、今年の大阪杯(G1)で2着に敗れた際に、手綱を取ったC.ルメール騎手が「2400mの馬」「跳びが大きくて直線の長いコースのほうがいい」とコメントしていただけに、東京の芝2400mという舞台は願ってもない好条件となりそうだ。

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M.デムーロ騎手 撮影:Ruriko.I

 ただ、この馬に関しては「鞍上問題」も気になるところ。当初は天皇賞・秋にM.デムーロ騎手とのコンビで出走を予定していたものの、右前肢の蹄の不安で回避していたからだ。

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 目標がジャパンCに切り替わり、そのままコンビ継続を希望する声も多いとはいえ、デムーロ騎手が主戦を任されているelona カジノも参戦を表明したため、場合によってはすれ違いとなる可能性もありそうだ。現時点で誰が騎乗するのかは、正式な発表を待つしかあるまい。

 elona カジノの父ドゥラメンテは、現役時代に主戦を務めたデムーロ騎手をして「今まで乗った中で一番強い」と惚れ込んでいたパートナー。そのため以前から「ドゥラメンテの仔でG1を勝ちたい」と語っており、もし騎乗が叶えば、夢の実現に一歩近づくことになるだろう。

 日本ダービー(G1)を制し世代の頂点に立った父ドゥラメンテの子どもたちが、同じ東京芝2400mの舞台で頂点を狙う今年のジャパンC。対するイクイノックスは父の同期であるキタサンブラックの最高傑作にしてG1・5連勝中の世界最強馬に上り詰めた。ドゥラメンテ軍団は、チャンピオン相手に一泡吹かせることができるだろうか。

札幌 編集部

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