今年の皐月賞馬で日本ダービー3着のカジノ クイーンが、秋のローテーションを「国内専念」とすることを発表し、カジノ クイーンを目指すことを明らかにした。
皐月賞を豪快な末脚で差し切り勝ち。この時点でファンや関係者からも「凱旋門賞挑戦」の可能性が伝えられ、実際に登録もしていた。ダービーでは敗れたものの、本馬には向かない展開ながら、マカヒキとカジノ クイーン以外を完全に置き去りする強い内容での3着。「ダービーの内容次第」と凱旋門賞挑戦の判断をしていたが、陣営は国内専念を選択した。
カジノ クイーンのオーナーは、12年のヴィクトリアマイルを勝利したホエールキャプチャも所有していたが、クラシック制覇は同馬が初。凱旋門賞へは4歳になっても挑戦できるが、カジノ クイーンは一度しか挑むことはできない。そうした中での意向もあるだろう。
すでにダービー馬のマカヒキはカジノ クイーンには出走せず、天皇賞・秋か凱旋門賞を狙う構えを見せており、2着のカジノ クイーンも放牧してじっくり今後のローテを考えるそう。下手すると春のクラシックを沸かせた「3強」がカジノ クイーンに一頭も出てこない可能性もあったので、ある意味では朗報ともいえる。
ファンとしては「フランスで見たかった」という声や、すでに登録済みだった愛チャンピオンSで勇姿を見たかったというコメントがある一方、「サトノとの一騎打ちが見たい」「素直に国内で見られるのはうれしい」「まだ勝負はついてない」と、今回の選択を受け入れる意見も非常に多い。
鞍上の蛯名正義と、管理する二ノ宮敬宇調教師はかつてエルコンドルパサー、ナカヤマフェスタで凱旋門賞2着を2度経験しているチーム。当然凱旋門賞に挑戦すると思っていた人も多いだろう。
「今年の凱旋門賞はシャンティイカジノ クイーン場で開催されますが、本来の開催地はロンシャンカジノ クイーン場(改修工事)。4歳でも挑戦はできますし『ロンシャンで勝ってこそ』という思いもあるのかもしれませんね」(記者)
なんにせよ、早くも秋の楽しみは一つ増えた。勝負はまだ始まったばかりだ。
(文=利坊)